また深夜にX-ファイルが放送されているので、時々観ている。観ていると、モルダーに感情移入している自分に気づく。好きなのはスカリーの方だから、モルダーになってスカリーと一緒に事件解決・・・解決してないけど・・・してる気分になっているのだ。
夜中じゅうかかってゲロゲロな死体を司法解剖していたら、いきなりモルダーから電話。「今、ウィスコンシン州にいる。すぐ来てくれ!」ガチャン。ちょっとモルダーあなた今なにやってるのよと訊いてるのに説明もしやしねえ。ふざけんな仕事中だと思っても結局行ってしまうスカリー。徹夜のままやっとの思いで現地に飛んでみると、また「地球外生命体が」とか「アブダクションが」とか、飽きもせず同じことばかり言っているFBIのくせに貧乏くさい男。ああもうスカリーがかわいそうでかわいそうでたまらない。
しかし、モルダーの立場になってみると気持ちよくてたまらないんだわこれが。電波な話を熱に浮かされたように喋っていると、スカリーが心配そうな、じゃなくて呆れたような顔で口を半開きにしてじっとこちらを見つめている。全然信じてないのに黙って聞いてるんだろわかってるんだよ。この人大丈夫かしら。大丈夫じゃないわよね今度こそ本当にヤバいわ。でも私が見捨てたら誰も分かってあげる人いなくなっちゃうでしょうねって。その顔が見たくてわざと寒いことばかり喋っちゃうんだよね。てへ。
この二人の関係、スカリーが一方的にモルダーをフォローしたり世話を焼いたりしているように見えるけど、実は相互に補い合っているとわたしは見ている。モルダーはスカリーがいるからこそ、安心して精神を開放して電波を飛ばしまくれるし、自分の内部に「常識と理性を司る自分」を作り出さなくて済んでいる。外部にそれが具現化したスカリーの存在があるから。だから常に感覚と直感でのみ動き、無茶ばかりしている。
いっぽう、スカリーはモルダーの存在を通して、感覚的世界と繋がっていられる。理性と常識ではフォローしきれない世界を彼の目を通して見ることができる。だから悠然と、「モルダーちょっと待って頂戴。飛躍しすぎだわ」かなんか言ってられるのだ。「感覚的で衝動的な自分」を完全にパートナーのモルダーに託しているので、モルダーが感覚で突っ走れば突っ走るほど、自分は客観的に冷静でいられる。むしろ突っ走ってくれないと、モルダーの存在によって必要でなくなっていた自分の内部の「モルダー」(つまり、直感と衝動)が表層化して、バランスを保てなくなるかもしれない。
というような関係だなぁとか一人で勝手に納得しながら観ているわたしであった。ところで、わたしが男になったらスカリーは誰にも渡さないからね。
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