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2001年12月 3日

アラウネと洗脳

唐沢商会の雑学マンガを読んでいたら非常に面白かったので、真似して、「なんの役にも立たないわたしだけが面白い無駄でしょうもない話」を書くことにする。(っていうかそんなのいつものことだけど)


● 子供の頃読んだ、水木しげるの世界妖怪図鑑だったかに、「アラウネ」という植物の妖怪の話があった。「アルラウネ」ともいい、他の本では「マンドラゴラ」とも書かれているが、性質としては全部同じものである。
形は人に似て、土に根を張っているらしい。これは富をもたらす植物なのだが、罪人の血が流れた土にしか生えないので、処刑台の下を探すしかないという。


アラウネを手に入れるには、金曜日の夜明け前、頑丈なひもと真綿を用意し、子犬を連れて家を出る。
アラウネを見つけたら、ひもをしっかりと茎にくくりつけ、片方の端を子犬の尾に結びつける。そして綿を自分の両耳に詰めてから、子犬を思いっきり駆け出させる。
これは、アラウネが引き抜かれる時に、この世のものとは思えない叫び声をあげるためで、その声を聞いたものは死んでしまうからである。
しかし、この方法で引き抜けば、子犬はアラウネの声にあたって死ぬが、自分は災厄をまぬかれる。(ひどい・・・)
家に持ち帰ったアラウネは、白と赤の布でくるみ、毎週新しい産着を与え、小箱に入れて養うと、さまざまな富をもたらす。アラウネと一緒に小箱に金貨を入れておくと、翌日には倍になっているという。



なんで子供の頃読んだきりの話をこんなに細かく覚えているのかというと、実行しようと思って手順を間違えないように何度も読み返したためで、「たからくじとかかうよりこっちのほうがおかねもちになれるじゃん」と当時は本気で思っていた。
ちなみに、子犬が死んだらかわいそうなので、子犬の耳に詰める分の綿も用意していこう、これに気がつかなかった他の奴らは皆バカだと思っていた。
嫌な子供なんだかいい子なんだかわからない。
その前に、「処刑台」自体どうやって探すつもりでいたのか、昔のわたしを問いつめたい。


● これ昔書いたかも知れないけど、洗脳の話。
旧ソビエト連邦とか、ナチスで行われていた洗脳方法だという。登場人物は、A:尋問者と、B:友人、そしてC:ターゲット、の三種類。


まず、洗脳するべきC(ターゲット)を独房に閉じこめ、外部から完全に遮断する。もちろんテレビや新聞なども与えない。
まったく情報も刺激もないこの部屋に毎日、A(尋問者)だけが訪れる。そしてCを精神的・肉体的に責めさいなむ。敵側のスパイだろうとか、言いがかりでもなんでもいい。相手に何か吐かせることが真の目的ではないから、Cが何を言っても片っ端から否定し、あざ笑い、嘘だと決めつける。
これを毎日続けて、いいかげん彼が心身共に弱り切ったところへ、B(友人)が登場する。


BはCをいたわり、やさしく親身になって彼の話を聞く。「君の言っていることを信じるよ」「君は嘘をつくような人間ではない」などと励まし、なぐさめる。
独房の中で何ヶ月も暮らしてはじめて出会えた「理解者」の温かい言葉に、Cは涙する。すっかりBに心を許し、友人だと思うようになる。
AとBは交互に独房を訪れ、Aがいたぶれば、Bがあとでやってきてなぐさめる、という具合なのだが、何ヶ月も外部から遮断された閉鎖空間でこういう状態が続くうちに、Cの神経は完全に麻痺し、作為的にAとBが自分を嬲っている、という考えには思い及ばなくなる。あくまで彼の中では、Aが敵でBが友人なのだ。


Bがいなければ、もう、この虜囚の暮らしには一秒たりとも耐えられない、という依存状態になったところをみはからって、Bがちょっとした質問をCにする。
Cの答えがなんであろうともBは激しく怒り出し、
「君がそんなことをいうとは思わなかった」
「その考えを変えない限り、君にはもう会いたくない」
と捨てぜりふを残して部屋を出ていく。
取り残されたCの元へやってくるのは、またも尋問者であるAのみ。Bは姿を現さない。世界には、敵であるAと自分しかいない。


たった一人の友人Bを失うかも知れない恐怖にCは気も狂わんばかりになり、たとえ正しいことを言ったにしても、「なぜあの時あんなことを言ってしまったんだろう」と激しく後悔する。孤独と苦痛にCが耐えきれなくなった頃をみはからって、再びBが姿を現す。
Cは狂喜する。そして、「Bに見捨てられたらこの世で一人きりになってしまう」という不安から、Bの顔色を読み、Bの期待通りの答えだけを言うようになる。
こういう状態になってしまえば、どんな途方もない思想を植えつけることも容易であるという。



かの中世フランスの青ひげ侯爵ジル・ド・レにも、似たような逸話がある。
美しい少年少女をさらってきては、地下室に閉じこめ、下男に命じて拷問をくわえさせる。頃合いをみはからって現れて、下男をしかりとばし、追い払う。
その後、「よしよし。かわいそうに。なんて酷いことをするやつだ」と、子供を膝に抱きかかえ、なぐさめてやる。子供がすっかり安心して身をゆだねてきたところで、ナイフでおもむろにのど笛をかき切って、その血をすするのが趣味だったという。
趣味だったという、じゃねえよ。いいかげんにしろ。



まあこれは洗脳とは違うけど。人間の心理操作のなんと容易なことよ。
まず「わかりやすい敵」を作っといてから味方ヅラしてやれば、自分に傾倒させることが可能だってことだね。なんとなく「泣いた赤鬼」って童話を思い出してしまいました。
片想いに悩んでいる若人は参考にするように。(ならない)



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投稿者 : ナツ at 2001/12/03 | カテゴリー : ◆眠れぬ夜の奇妙な話
コメント

投稿者 : ナツ at 2006年11月30日 19:46

ごめんなさいごめんなさい。
この記事につけていただいたコメントがなぜかフィルターに引っかかっていたので、公開しようとしたら誤って削除してしまいました。MTをバージョンアップしてから慣れてないので。
で、内容だけ残っていたので、ペーストしようと思ったのですが、肝心のHNやメアドがわからないことに気がついた・・・。ので、できませんでした。自分のハンドルで書いても変だもんなあ。
本当にごめんなさい。できればもう一度書き込んでいただけるとありがたいです。



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