loading ...

2003年3月17日

新たなるパクリ騒動

● またまたこんな騒動が起きているようです。ネタ元は再び趣味のWebデザインなんだけどね。今度はオリジナルJUNE系(やおい系・ボーイズラブ系と同義。どの表記が一番正しいんだろ?)サイトの小説のパクリ騒動だって。ううむ。

興味のある人は今回も各自関連サイトを読んで欲しい。・・・ジャンルがジャンルだけに、知らない人には敷居が高いかもだが。


わたしは騒動の現状とは関係なく、JUNE小説におけるオリジナリティとかについてぐちゃぐちゃ考えてたので、語り尽くされている内容だけど書いちゃったもんはもったいないからアップしておこう。



何の因果か実は最近わたし、オンライン小説に凝っている。


はじめはごく普通のショートショートやミステリーやファンタジーあたりを読んでいたのだが、そのうちにJUNE系の小説にも手を出すようになった。出来のいいのも悪いのもあるものの、いいものはかなり面白くてハマる。数はそれほどこなしてるわけじゃないけど。(だからこんな騒ぎが起きているのも知らなかった)


関係ないけど、ついでに男性向けエロ小説も読んでみたりした。でもこればっかりは面白さがわからなかったよ。だってストーリーがないもんな。
エロ小説にストーリー性を求めるな、萌えろと言われても、萌えどころがまったく違うため不可能だし。むしろ激しく笑った。

男と女の間には深くて暗い河がある。



で、わたしは完全なROMらーであるわけなので、ROMの立場から思うに。


オリジナルJUNE小説の世界というのは、えらい「お約束」通りの展開に則っている。

いくつかのパターンが厳然として存在し、冒頭を読めば大体先が見える作品も多く、キャラも類型化している場合が多い。

ハーレクインロマンスに見るとおり、恋愛小説なんて得てしてそんなもんであり、むしろ「お約束」を破られたラストだったりすると、何だか裏切られたような気分になることすらある。


※中でも最大のお約束とは、「女性と結ばれることが決してない」ということで、当て馬役で登場した女性は必ず振られ(絶対男に負ける運命・・・)、男同士のハッピーエンドが待っている。・・・JUNE小説だからまあ当然と言えば当然なのだが。



「何故この人がプロではないんだ。つーか、プロが素性を隠して書いてるんではないか。リチャード・バックマン(キングが「痩せゆく男」を書いた時の筆名)みたいに」と疑うようなレベルの高い小説に出くわすこともあるが、それ以外の多くのJUNE小説は、ストーリーよりも、自分の趣味に合致した「シチュエーション・設定」を楽しむための作品だと言っていい。


それが証拠にこの世界では、「リーマン物」「主従物」「幼馴染み」などという但し書きが作品説明として付くのがお約束になっている。

読者はこれを見て、好みの設定を探して読むわけだ。(AVと似たようなもんだな。「女子高生」とか「人妻」とか、ああいうやつ)



こうした土壌が厳然として存在する世界である以上、作品のオリジナル性をうんぬんする時に、普通の小説とまったく同じようには考えられないのではないかと思った。

つまり、有り体に言って、読者は定石通りのシチュエーション(とかエロ)を楽しむために読んでるのに、自作品にそれ以上の価値があると思うのはちとおこがましいんじゃないのか、としか言いようがない作品が多いわけですわ。(ほとんどが趣味で書いてる物だし)

それ以上の価値というのはこの場合、「オリジナリティ」ってやつですが。



これがあると思ってるからこそ、守ろうと汲々としてしまうわけだ。「この作品を好きだと言ってくれる読者も、私の作品の独自性を評価してくれているのよ!」みたいな勘違いをしたりして。

しかしそれは多くの場合思い込みである。少なくとも、今回の騒動の発端となった作品を読むかぎり、あまりにもよくあるパターンの踏襲に過ぎず、設定を超えて感銘を与える独自性があるとは言い難いし、他作品とかぶるのも当然だと思う。

この手の話が好きな読者は、この設定、このキャラの性格付けに満足し、気持ちよく浸った後は、また同じような設定の話を求めてWebをさまようだろうなぁ、という感じだ。



んで、何が言いたいかというと。こんな程度でパクリだのパクられたの言って作品を下げさせる、あるいは書き手が「あの人の作品と似てるから」という理由で公開を躊躇する、という事態に陥ってしまうと、しまいには1設定に付き1作品しかWeb上に存在しなくなってしまうので読み手は困る。わたしは主従物(しかも下克上。しかも攻めの人が敬語)をもっと読みたい。同ネタのを何作も何作も読める状況でないと意味ないんだよ。AVで「女教師物」がこの世に一本しかなかったら困るだろーが!


ぶっちゃけこんな感じですかね。(私情)

よーするに多くの作品は「その料亭でしか食べられない特別料理」などではなく、「ファストフード」だと。そしてそこに価値があるわけだ。むしろかぶれと。かぶってくれと。



・・・オリジナルJUNEに喧嘩を売ってるか。わたし。

いや、ROMとしては楽しませてもらってる以上、恩を仇で返すような意見だけど。

レベルの高い作品は、設定がどうだとか関係なく、それどころかJUNE小説であることすら忘れて熱中させる力がある。しかし、このレベルの作品でないなら、設定萌えの嗜好品として消費されるのはやむを得ないと思う。



わたしも本当は設定もジャンルも超えて(JUNEに限らずオンライン小説全般)面白い作品を読みたいけど、それが見つからない時にしかたなく好みの設定のを読んでお茶を濁してたりする。この場合当然、ストーリー性もオリジナリティも二の次である。

つーか、二の次になっている作品が多いのだ。逆説的だが。だから設定さえ同じならどれもこれも似たようなもんに見えてしまうのだ。


今回のパクリ騒動は、こんなこと書くまでもなくすでに「こんなもんでパクられたとか言うな。アホか」と世間にあきれられていたようだが、ネタがかぶってるだけで他のものとそっくりに見えてしまう作品には、「守るほどのオリジナリティはない」「ネタを調理せずそのまま出してる状態と変わりがない」つーことを書き手自身が認識しておかないと、また同じような問題が起きるんじゃないかな〜と思った。


や、読み手の方も自分がネタ・設定萌えで読んでいるということに無自覚な場合があるな。
そういうファンが安易にパクリだと騒いでしまうようだけど、書き手の方に、「似たような作品がいくつもあるのはあたりまえ。だってそもそも自分も設定萌えで書いてるんだもん」という確固たる自覚があれば、閲覧者もいずれは静まるもんではないだろうか。




 blogランキング参加中

投稿者 : ナツ at 2003/03/17 | カテゴリー : ネットウォッチ
コメント


コメントする


トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:

トラックバック

カラフルなカラス from cafe de R2
やったらめたらにエントリー全体が改行されまくってるスカスカ文体ブログ、結構見かける気がするけど、私は好きじゃない。人気ブログの『腐女子の行く道、萌える道』は、私... [続きを読む]

Tracked on 2005年3月 5日 07:08