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2003年8月18日

猫袋

子供の頃から、犬は飼っていたが猫は飼ったことがないという友人がつい拾い猫をしてしまい、飼うことになったのでアドバイスをくれといってきた。
この手の人に多いように、友人も「猫は自分勝手」「わがままで人の言うことを聞かない」「目が怖い」「何を考えているか分からないので、なんとなく不気味」などなどのイメージから苦手に思い、今までなるべく遠ざけて生きてきた。
ところがケガをした子猫をひょっこり拾ってしまい、治るまでと思って面倒を見ているうちに情が移ってしまった。今は子猫だから文句なくかわいいのだが、そのうち大きくなったら問題が出て来るかもしれない。特に注意すべきことがあったら教えてくれというのである。

うちの猫のことも何となくイヤそうな顔をして見ていた奴が猫を飼うとは、と意外に思いつつ、「猫の飼い方」みたいな本ですぐ手に入る情報はおいといて、猫の性格だけにしぼって解説することにした。

付き合いの基本はまず相手の性格を把握することから。犬とは違うということを認識してほしい。


◆ 買い物をして帰ってきたら、買ってきたものをのぞきに来る。 (犬なら人間が帰ってきたことに喜んでつきまとうのだろうが猫は違う。「ビニール袋の中身」が知りたいだけだ)
買った品物を取り出して並べていると、品物をひとつひとつ点検する。袋の中ものぞく。においをかぐ。ひととおり好奇心が満足したら去っていくので、好きなようにさせてやること。

◆ 宅急便で荷物が届いたら、箱の中をのぞきに来る。外側のにおいを嗅ぎ、箱が開いたら顔を突っ込んで中身を確認し、品物を取り出した後の空き箱の中にさっそく入る。そのまま箱を置いておいたら中で寝てたりするが、飽きるまで好きにさせてやること。

◆ ベランダでスズメが鳴いたら窓際にかけていってじっと見ている。空腹ではなくとも血が騒ぐのだろう。
テレビ番組で鳥や虫がうごめいていても真正面にいってじっと見ている。ときどき画面を前足で叩く(じゃま)。テレビの背後に回って確認する(何もないって)。納得するまで好きなようにさせてやること。

◆ 人間が水をこぼしたり、皿を割ったりという失敗をして騒いでいると誰よりも早く飛んでくる。「危ないからこっちに来ないでください」とお願いしても聞いてくれない。嘆きながら破片を片づけたりこぼしたものを拭いている人間の様子を目の前でじっと見ている。
「何がそんなにおかしいんだよ!」とキレたりせず好きに見させてやること。

◆ 家に誰もいないからといって踊ったりエアロビクスしたり歌を歌ったりという一人オンステージを始めると、必ず側に寄ってくる。
目をまん丸にして凝視し、いったいこいつは何を始めたのかという表情でじっと見る。こっちがばつが悪くなってやめるまでじっと見ている。好きに見させてやること。

◆ 掃除機が大嫌い。ガーガーと動き出すと脱兎のごとく逃げ出す。逃げ出すが、別の部屋には行かない。掃除機が見えなくなるからだ。
大嫌いな掃除機が自分の見ていない間に何をするかわからないので同じ部屋で見張っている。常に一定の距離を開け、片時も目を離さない。電源が切られて音がしなくなったら、忍び足で近寄ってきて無害な生き物になったことを確認し、やっと安心する。好きにさせてやること。

◆ 花火や雷など、大きな音が大嫌い。外で「ドーン」と鳴り出すと、人の膝で寝ていても飛び上がって起きて、テーブルの下に逃げていく。人間を信用していないのか人にしがみついて助けを求める、という発想には至らないらしい。抱かれていても腕から大あわてで逃げ出し、人を放置して自分だけ逃げていく。恩知らずだがあきらめること。

◆ 子供もうるさいから大嫌い。掃除機並みにじゃまだと思っている。子供がさわろうとすると威嚇したりするがむやみに叱ったりしないこと。

◆ ほしいものがある時はかわいい声を出してうるんだ瞳で見上げながら甘えるが、もらった後の手のひらの返し方はすさまじい。抱っこがしたいならあげる前に思う存分抱いておくこと。食べた後はさわろうとしても走って逃げるからだ。時には威嚇したり噛んだりすることも。
こんな裏切り行為にいちいちキレていては猫と暮らしてはいけない。あきらめること。

◆ 実は猫は巷で言われているほど頭は悪くない。ほしいものがある時は芸も覚える。(うちの猫はかつお節をもらう際に二本足で立ち上がるという芸を覚えた。いわゆるチンチン。ドアを自分で開けたり閉めたりする猫もいる)
なぜ犬のようには芸をしないのかというと、やる気がないからだ。人の言うことを聞いて褒めてもらうという代償に価値を全く見出していない。人の評価などどうでもいい。むしろうざい。それが猫なのであきらめること。

・・・「猫なんか飼いたくねー」という気持ちにさせることばっかり書いたような気がするですが。

あ、あのね。猫にもいいところはあるんですよ。(今さら)
落ち込んでいる時はだまって側にいてくれる。犬のようにかまって攻撃もしないのでうざったくない。人のご機嫌を取るためではなく、自分が機嫌のいい時だけ勝手に一人でゴロゴロいっている。このマイペースな性質は貴重なものであります。
つーか、わたしは上記の猫の性質、全部好きだから一緒に暮らしてるんだけどね。好奇心が強くて出しゃばりで傍若無人で気まぐれで冷めている猫がかわいいと思えない人は飼わない方がいいです。飼うな。

● スーパーに買い物に行ったら「でんすけスイカ」という真っ黒なスイカが売られていた。
それを見た8〜9歳くらいの男の子が、「おおっ、でけえ!ゴジラの卵だよユウタ!」と大喜びでそばにいる弟らしき男の子に語りかけたところ、弟(6〜7歳)は冷たくひと言。
ただのスイカだよ、それ」。

負けるな、兄貴。弟よ、少しは兄に話を合わせてやれ。人間関係を円滑にする知恵だ。



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投稿者 : ナツ at 2003/08/18 | カテゴリー : 散文的日常
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