● 宇宙戦争 (★☆☆☆☆)
2005年 アメリカ
監督 スティーヴン・スピルバーグ
原作 H.G.ウェルズ
出演 トム・クルーズ
ダコタ・ファニング
映画を観たら忘れないうちに感想を、と思ってるうちに何も書かないままいつも忘れ去ってしまうんだけど。これは本当にくだらなすぎてメモを取っておいたので覚えていた。
スピルバーグで、宇宙人もので、これかよ。
時間も金も無駄すぎだっつーの(観客だけじゃなく映画会社も)。
原作はH・G・ウェルズの古典だから話全体が古くさいのは当然と言えば当然だけど、だったら何で今更のようにこんなアナクロな、今となっては「SF」とも言えないようなSFを映画にするんですか。換骨奪胎して斬新にアレンジするためじゃないの? それを期待してたのに新しいのはCG技術だけだった、って、今デジャヴを感じたぞ・・・そうだ、「アイ、ロボット」と同じパターンじゃん。
「家族を守る父親の愛をテーマに盛り込みたかった」とか「(未知との遭遇やE.T.と違って)今こそ、地球人にはっきりと敵対する宇宙人を描く時だと思った」とか、スピルバーグはいろいろと言い訳がましいコメントを出してるようですが。どれもこれも中途半端だと思います。
トム・クルーズは子どもの一人を守りきれなくて手放しちゃうし、助けて匿ってくれた家の主人(ティム・ロビンス)と宇宙人への対処法で意見が対立したら、あっさり殺しちゃうし。残った子ども(ダコタ・ファニング)を守るためなら人殺してもいいってかあ? それが家族を守る父親の愛の強さなんですか? わけわかんねーよスピルバーグ。
あげくの果てには、「宇宙人と闘うんだー!」とか無茶言って、父親の制止を振り切り軍隊に飛び込んでいった息子(守りきれなかった方)と、ラストであっさり再会してしまうに及んで、ティム・ロビンスの死は完膚無きまでに無駄になった。息子が死んだから、「もう娘まで失いたくない。だからこそ、“宇宙人を殺してやる”などと、息子と同じ無茶を言い出して娘を危険にさらす特攻男=ティム・ロビンスを生かしておくわけにはいかない」という理論武装が成立して、ギリギリでトムの行動は正当化されたんじゃないの?
上記の理由から息子が生きてる方がよほど後味悪いと思うんだけど、あれでアメリカ人的にはスッキリハッピーエンドなわけ? わかんねー。
スピルバーグ自身は5人の子供の父親である。
しかし幼い頃に両親が離婚して、結果的に父に捨てられた形になり、母親の女手ひとつで育てられたという生い立ちのせいか、彼の持ってる父親像ってのがいまいち曖昧だ。
「ホントに父親の愛の強さなんてもんを描いてるの? この映画」と首をひねることしきりだった。
少なくともこの映画の中で、娘はともかく息子の方は全然父親のコントロールが効かないし父の愛情も伝わっていない。父親の方も途中で息子を自分の支配下・庇護下に置くことを諦めて手を放してしまっている。
つまり父の権威で導くことも愛することも諦めちゃって、「息子はもういい。俺にはもう娘だけだ」ってな感じに見える。(それなのに息子が生きてて、ラストでトムと感動の再会、となるから意味不明なんだよ)
スピルバーグの中では父親との関係がいまだに解決されていないんじゃないのかと思う。だとしたら、現在の彼と彼自身の息子の関係もギクシャクしてるだろうなと関係ないのに心配になってくるほどだ。
さらに関係ない話。ティム・ロビンスが、「大阪でアレ(トライポッド)を倒した奴がいる。日本人にできるなら俺たちにもできる」と言って抗戦を主張してたんだけど、大阪人すげーな。どうやって倒したんだろう。吉本か食いだおれ人形かかに道楽か、どれに関係があるのかはっきりしてほしい。
blogランキング参加中息子生きているとは思いませんでしたよね。
うちの旦那は前日にスターウォーズを見ていたせいで、スターウォーズ的なものを想像していたようです。
その衝撃やいかに。
私は映像はすげーなーと思うのと、あまりのお馬鹿さ加減に星3つ半、と評価してました。
今思えば、何故にこんなに好評価なんだ、私よ。
わたしも一緒に観に行った連れもスピルバーグだってんで相当期待してたんですがね・・・。「なにあれ?バカじゃねーの?」と上演後にさんざん叩きました。(連れはダコタ・ファニングが可愛かったから許すとか意味不明なことを言ってましたが)
敵対する宇宙人を描きたいなら描きたいでもっとやり方があるだろうと。スピルバーグももうダメだな。CGで驚異的な映像を作り出すことにスピルバーグを含めたクリエイターたち全員が幻惑されちゃって、テーマとかシナリオとかひねりとか、そういう方向に注意が向かなくなってるのかもしれないですけど。
星3つ半は確かにあげすぎ(笑)わたしの方は期待してた分だけ失望が大きくて厳しすぎる評価になったかも。(だって未知との遭遇の記憶がさ〜。)
私のオットは大笑いしながら観てましたです。
オットいわく
『B級SFにストーリーなんか求めちゃいけないんだよー。映像美だけを純粋に楽しめばいいんだってば』
・・・だそうです。
私のように
『オチをもう少しひねってくれてもよかったのにっ!!何よ!アレはッッ』
と怒る方がアホなのだと言われました。
>「大阪でアレ(トライポッド)を倒した奴がいる
〜のくだりは、私、中島らもの書いたショートショートを思い出しました。
地球観察中のUFOに、なぜか突然進入した大阪商人がファックスを強引に売りつけてしまう・・・とかいうハナシです。
多分、ナニワの商人は言葉巧みにいい加減なモノを山ほど買わせて内部からトライポッドを破壊したのでしょう。うむ。
>『B級SFにストーリーなんか求めちゃいけないんだよー。映像美だけを純粋に楽しめばいいんだってば』
スピルバーグでB級SFなんて許せないと旦那さんにこぶしを握って力説しといてください。スピルバーグはやればできる子。CG映像だけに頼って映画を撮るのは「デビルマン」だけにしてもらいたい。
>地球観察中のUFOに、なぜか突然進入した大阪商人がファックスを強引に売りつけてしまう
「いいエロ画像がありまっせ〜。旦那さんも好き者でんなえっへっへ」と、トライポッドの雄と雌がからみあっている画像を詰めたCDを売りつけ、トライポッドがハァハァしながら見てるうちに、ROMに仕掛けられたウィルスが侵入してHDD(?)が破壊され倒れる。
インディペンデンスデイの二番煎じだけど、いっそここまでアホらしかったらわたしも絶賛したのに。スピルバーグって「家族を守る父の愛」とか妙にオヤジぶると途端に作品がつまんなくなるタイプだったんですね。昔みたいに純粋な子供の目線で撮った方が面白い映画ができると思います。SFや冒険物に関して言えばですけど。
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