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2007年1月 9日

高校教師

上戸彩主演の高校教師の話。これももう3年も前の文章だが、取り合えず昔のテキスト復活シリーズでUP。


● ドラマ「高校教師」第一話を観た。10年前のドラマのリメイクだが、昔のは父親とヒロインの女子高生の近親相姦(つーか父親による娘への性的虐待。近親相姦って言うとなんか子供側にも責任あるようで嫌なんだよね)とかの設定があって、生理的に我慢がならなかったのでちゃんと観られなかった。かなり陰惨な雰囲気だったと記憶している。


しかし、今回はそんな設定はないらしい。男の方がエリートコースから脱落して高校教師になりヒロインの女子高生と出会う、という展開だけは同じらしいけど。
以下公式サイトでのあらすじ。

「日向女子高校に通う町田雛(上戸彩)は、授業をサボった折に保健室で顔見知りになった工藤紅子(ソニン)と夜の街に繰り出した。
だが、真面目な雛にイラついた紅子は雛を残し去ってしまう。取り残された雛はゲームセンターに立ち寄る。そこで一人ゲームに興じる不思議な男・湖賀郁巳(藤木直人)と出会う。
その場の流れで湖賀のマンションについて行った雛は、「ただ横で一緒に眠って欲しい」という湖賀の要求を受け入れ、一晩を過ごしてしまう。
翌日、登校した雛は、新任の数学教師として教室に現れた湖賀と再会する。呆然と立ち尽くす雛。一方湖賀は雛を見ても無反応なまま、事務的に授業を開始していき…。」


これを読んで興味がわき、1月10日を待つことにした。恋愛ドラマはあんまり観ないのだが、「ただ横で一緒に眠って欲しい」と言って本当にそのまま眠ってしまうようなぐずぐずしたラブストーリーは個人的にツボなのだ。


そーゆーぐずぐずネチネチ前置きが長いつーか葛藤がある関係性って、教師と生徒とか同性同士とか年の差があったりとか、そんなのでなくては現代社会に於いては実現不可能である。どころか何の葛藤も罪悪感もなく教え子をホテルに連れ込んじゃう淫行教師や、幼女に欲情する自分を肯定できるロリペドが存在する時代だしな。いっぺん死んで下さい。


いや違う。そんな話はいいんだった。とにかく葛藤話がイロっぽいんだという信念のあるわたしは、このドラマにかなり期待していたわけである。
結果。


藤木直人が趣味じゃないので萌えられませんでした。


いや、ホントにどうしようもなく好みじゃないので、ダメ。その上演技も下手だと思うんですけど。そもそも演出、アレってどうよ。ぐずぐずネチネチは好きだけど、それは心の葛藤の問題においてであって、展開が無意味にぐずぐずして見えるのはドラマとして致命的だと思うぞ。
問題の「何もしないからただ横で一緒に眠って欲しい」シーンもまったく萌えられねー。
なんだ。藤木直人のあのダメっぷりは。わたしの期待していたのはあんな話じゃない(以下妄想)。


異性を惹きつける魅力に加え、頭脳も兼ね備えてますという精神的にも成熟した男。当然、大人の女に不自由したことがないので、小便臭い女子高生なんかに食指が動いたことはない。


というタイプの男がエリートコースから転落して一介の高校教師に。それだけ自信に満ちていたはずの男の心がなんらかの挫折によって現在は空虚であると匂わせる言動。女子高生に「眠れないから黙って横に寝て欲しい」などと頼むような、子供にまですがりつかねばならないほどの心の空洞。


その空洞をかいま見て胸が詰まり、大人の男の色気に内心動揺しつつも黙って一晩側に居てやる少女(ベタ)。次第に、女子高生ごときに本気になっていく己を自覚しつつも、「自分は大人である」といった社会的常識の枷や、教師としての立場に邪魔されて手を出せず煩悶する男(ベタベタ)。


こういう話を期待していたんですけどわたしは。あああ、野島伸司め。まったく萌えどころが違うとこうなるものか。藤木直人なんか、フェロモン系どころかどっちかつーとのび太系だからね。演出のせいか脚本のせいか必要以上にダメっぽく見えた。
自信に満ちて全てを持っていた筈の男が挫折して弱っている姿が色っぽいんだよ。もともとダメっぽいのがもっとダメになっても、女の子と一晩一緒で何もなくても意外性がないじゃん。つーか藤木直人が隣に寝てたって余裕で爆睡できるじゃん。あのシーンは第一話の目玉だったはずなのに、観ててドキドキしないんじゃ意味がないです。


というわけで二話目以降観る気をなくしてしまいました。だったら藤木直人以外で誰を配役したらよかったかというと・・・うーん。思いつかない。「色気があるのに禁欲的な大人の男(だがおっさんくさくはない)」というタイプの俳優ってなかなかいないもんだね。


いやいやわかってますわかってます。わたしの言うようなタイプの男が教師役では、女性視聴者のハートはつかめても、男性視聴者はまったく感情移入できないだろうことは。「そんな男が女子高生食っちゃう話なんてムカつくだけなんだよ!!」という声が聞こえるような気がする。さらに言えば「ダメっぽい男が女子高生(ハァハァ)に癒される話だからこそ感情移入できるんだよ!!」ってことなのかもしれないですがね。


いつもいつも∞ドラマや映画の萌えどころが合わなくてわたしがイライラしっぱなしなのは、そのへんに理由があるんだよな。チッ。


あ、上戸彩は初々しくて結構かわいかった。あと、京本政樹がまたもやイヤな役で出てるね。しかし演出過剰なのとセリフがアホくさい為、時代劇の悪役みたいになっているのは否めない。


僕はね、人にバカにされていいような人間ではないんだ。僕をバカにしようと思っているのだったら、無駄だよ


とか、言うかいきなり。高校の教師が初対面の同僚に。笑いを取るためだったらいいけど、シリアスドラマでだよ。こんなキャラは花輪君((c)ちびまる子ちゃん)以来絶滅したかと思ってた。ますます野島伸司がわからないのだった。



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投稿者 : ナツ at 2007/01/09 | カテゴリー : 映画
コメント

投稿者 : marineko at 2007年1月 9日 02:59

>異性を惹きつける魅力に加え、頭脳も兼ね備えてますという精神的にも成熟した男。当然、大人の女に不自由したことがないので、小便臭い女子高生なんかに食指が動いたことはない。

ビバ!大人の男!いいですね、こんな男どこにいるの?って思うけど。ほんとにいたら、やっぱり、女子高生じゃなくて、それをちゃんと見抜ける大人の女がほっとかないだろうなー。

>女性視聴者のハートはつかめても、男性視聴者はまったく感情移入できないだろう

私、正直いうと、テレビドラマは見ないからよくわかんないんだけど、男でこういうストーリー見る人っているのかな?そんなに多くないような気がするし、製作サイドも女性視聴者をターゲットにつくってるんじゃ?
これがもしトレンドなら、グズでダメっぽい男が好きな女性が意外と多い、ということなんじゃない?庇護欲をかきたてられるというか。
私は嫌だけどね(笑


投稿者 : ナツ at 2007年1月 9日 22:08

●まりねこさん
>こんな男どこにいるの?

リアルではまず見当たらないからこそフィクションでだけでも堪能したいわけですよ。「隣のお兄ちゃん」なんかドラマや映画で見てもなんにも萌えない。そういう人は現実でいっぱい見てるしー。「有り得ねえ」ってぐらいの美貌・知性・意志を兼ね備えた自信に満ちた大人の男が転落したり苦悩に悶える様がハァハァ(←どうしても苦しむのが見たいらしい)

>男でこういうストーリー見る人っているのかな?

ブログ読んでると、わたしなんかよりよっぽどドラマをよく見てる男性がいて、感想書いたりしてますね。もちろん女性より数は少ないけど。だから主要ターゲットは女性でも、男性にもある程度受けを狙ってると思う。「電車男」や「結婚できない男」も、何だかんだ叩きつつも見てる人が結構いるという。(わたしは結局どっちも見てないですが)

>グズでダメっぽい男が好きな女性が意外と多い

それってよくいわれるけど、「庇護欲」とか「母性本能」が原因なのかなあ。
「ダメ男は優越感ゲームをしないから好かれるんだ」という説もありますね(kanoseさんだったかな?)。女はダメ男のダメさに惹かれてるんじゃない。プライドを尊重してくれるからだ。「俺の方がお前より偉い」と自分を誇示するのに必死で相手の自尊心を顧みない男性だと、心理的バトルになって疲れるからだ、みたいな話。
わたしはこっちの説の方がしっくり来るかな。母性本能は猫とちっちゃい子にしか働かないしー(笑)


投稿者 : 空 at 2007年1月 9日 22:25

>「有り得ねえ」ってぐらいの美貌・知性・意志を兼ね備えた自信に満ちた大人の男が転落したり苦悩に悶える様がハァハァ(←どうしても苦しむのが見たいらしい)
ヨコですが。
悪女モノはダメなんでしょうか〜?
(力を持つ女の人に引きずられて転落人生〜ってのは定番なんじゃ)
でも悪女モノは読んだり見たりしていると
『・・・転落したのはテメーのせいだろ。女のせいにするな馬鹿者ッッ!!』
とか言いたくなるからアウトなんでしょーか。


投稿者 : ナツ at 2007年1月 9日 23:32

●空さん
悪女モノはね〜、わたし、悪女にも趣味がうるさいんですよ。「これぞファム・ファタール(宿命の女)だ」と思える悪女でないと、翻弄される男がバカみたいに見えるじゃないすか。「確かにこんな凄い女だったら、わたしが男でも恐怖しつつ溺れるわ」という説得力がないと。吉田秋生作「吉祥天女」の叶小夜子。最低このレベルは維持してほしい。
わたし思うに、男性作家の書く悪女は、「この程度の女に溺れる男が馬鹿なんじゃね?」という場合が多いです。同性から見てまったく魅力がない。底が知れている。ただ美貌を鼻にかけた嫌な女であることが多い。女性作家の描く「悪女」はそれに比べて深くて怖ろしいですよ。山岸凉子とか。
底知れないカリスマ性。男をどこまでも喰らい尽くす容赦のなさ。自分の力に対する静かな自信。それを効果的に使う圧倒的な知性。人の心理を巧みに操り先を読む洞察力。本当に山岸凉子の描く悪女はこえー。
で、そういう話は「“転落する完璧な男”萌え」じゃなくて、「“転落させる悪女”萌え」になっちゃうのでアウトなんですよね。女の方がどう見ても魅力的に見えてしまうので。

「“転落する完璧な男”萌え」の話にしたいんであれば・・・「無力で無邪気な赤ん坊(つまり天然ちゃん)」に振り回されてグダグダになっていく完璧な男、というシチュエーションが有りかな。中途半端に小賢しい女に良いようにされるのが一番つまんない。


投稿者 : えむけーつー at 2007年1月10日 00:50

>無力で無邪気な赤ん坊(つまり天然ちゃん)」に振り回されてグダグダになっていく完璧な男

ぜんぜん完璧じゃない男の俺ですけど、こういうシチュエーションにめろめろです。てゆうか中途半端に小賢しい女でもなんでもいいです。振り回されたい!

でもまあ、男性作家は本物の悪女は創造できないですよね。男にとって都合悪すぎますもん。
あと、悪女というものが、女性の欲望の形式に忠実で、矛盾のない全面的な自己肯定の上に成立しているような存在なのだとしたら(俺にとってはだいたいそんなイメージ)、その面からも、やっぱ男には描けないんじゃないでしょうか。男はなー、欲望っていっても、どん詰まりまで問い詰めたら「ごめんなさいやりたいだけでした」で終わっちゃいそうな底の浅さがあるし。


投稿者 : marineko at 2007年1月10日 00:54

>「ダメ男は優越感ゲームをしないから好かれるんだ」

へえ。こんなの初耳。
うーん、そうなのかな。ダメ男ほど女には「自分を誇示するのに必死」になるような気がするんだけどなー。それか、諦めて言いなり男とか。相手のプライドをちゃんと尊重できて、不毛な優越感ゲームをしない、というのはホントのダメ男じゃないような気がする。それは余裕男って感じ。見た目やスペックがイマイチでも、懐が深いというか。
私は「自分を誇示するのに必死なダメ男」って、その表現次第で可愛いと思うこともありますよ、相手によっては。真剣に人生をともにしたくはないけれど、お菓子的につまんでもいいかな、みたいな。「なーに、余裕ないのね」とか思いつつ、「おいでおいで」したくなるっていうか。それは庇護欲に名を借りたエゴかもしれないけど。最終的には、「ねえ、私がいないとダメでしょう?あなた、一人ではやってけないんでしょう?」と、相手をさらにダメにしてしまうと思うんだけど。でも、そのダメになる様がまた可愛いとかね。
なんか、好きなこと言ってますね、私(笑
ま、あくまでも妄想ですよ。


投稿者 : ナツ at 2007年1月10日 23:54

●MK2さん
無力で無邪気な猫たんに日夜振り回されてグダグダになっている完璧じゃない女ですこんばんは。

>中途半端に小賢しい女でもなんでもいいです。振り回されたい!

なんでもいいとか言ってるからMK2さんは萌えキャラになれないんですよ。自分から振り回される気満々なんだもん。
「ふっ・・・どうかしている。この俺が、15歳も年下のあんな少女に振り回されるとは」「俺はもっと大人で冷静だったはずなのに。どうしてもあの子に対する執着が抑えきれない」とか、ガラスの仮面の速水真澄ばりに悩んだり自嘲したりしないとさー。
MK2さん「え?なんで女子中学生に振り回されたらダメなの?」←心底不思議そうに
これじゃ萌えねーよ!

>悪女というものが、女性の欲望の形式に忠実で、矛盾のない全面的な自己肯定の上に成立しているような存在なのだとしたら(俺にとってはだいたいそんなイメージ)

どーだろ。自己肯定できてるのかな悪女って。自分と男と世界を憎みつつ、それでも世界と対峙して一人で戦い続けることを選んだ女、というイメージですね。わたしにとっては。全面的に自己肯定できていれば、ただ愛されることで求めるすべてを手に入れられると思うし、そうなれば即ち「天然ちゃん」ですよ。
自分の力と、やってることに自覚的な「悪女」というのは無邪気ではいられないし、愛し愛されるよりも「貪り喰らい尽くす」ことを選ぶ、というのはやっぱり破滅的で歪んでると思うんですよね。

あ、そーだ。MK2さんにおすすめの本があったんだ。木原音瀬の「B.L.T」って機会があれば読んでみて下さい。BL系小説だけど、無力で無邪気な男子中学生にいい大人の男(でもヘタレ)が振り回されまくりの話です。この作家は「痛い系・せつない系」と言われてるらしいのでライトじゃないですが。
でもこの本もう絶版みたいなんだよな〜。わたしの場合は友人が借してくれたんですけど。ブクオフとかヤフオクで見かけたら是非。
この作家の作品にはどうしようもない残酷さと諦念が漂ってます。駄作もあるけど。

んでもひとつ言い忘れてたけど、勝手に文章引用してすみません(笑)


●まりねこさん
>ダメ男ほど女には「自分を誇示するのに必死」になるような気がするんだけどなー。

実はわたしもそう思う。「優越感ゲームをしないダメ男」って、「ダメ男“ぽい”」だけですよね。わかりやすいところでのび太とかシンジとかまた挙げちゃうけど。彼らは、ダメっぽいけど女の子のことは尊重している。
アニメキャラじゃなくて、リアルダメ男はおおむね虚勢張ってますからね。劣等感が強いばかりに、女を抑圧することでしか自分の「男らしさ」を誇示できない。いわば、ジャイアンとのび太の欠点ばかりを寄せ集めた恐るべきダメさです。

>私は「自分を誇示するのに必死なダメ男」って、その表現次第で可愛いと思うこともありますよ
>真剣に人生をともにしたくはないけれど、お菓子的につまんでもいいかな、

まりねこさん悪女モードですか。ファム・ファタールここに見たり(笑)
わたしはそういう男は心底嫌いですね〜。反射的に「こいつはダメだ」と拒否反応を起こす。つーか、自分がそもそも虚勢を張っちゃう方だから、同じタイプの男なんて底が透けて見えてるんですよ。「弱い犬ほどよく吠える」と自分も含めて思ってるから、そういうタイプの人間は中身スカスカのつまんないチキンとしか思っていない。つまりかわいくも何ともない。
本当に強い男(女も)は、人に優しいし、余裕があるし、自然体で生きてますからね。


投稿者 : くも at 2007年2月 4日 01:47

こんにちは。

>異性を惹きつける魅力に加え、頭脳も兼ね備えてますという精神的にも成熟した男。当然、大人の女に不自由したことがないので、小便臭い女子高生なんかに食指が動いたことはない。

というのを三日三晩考えてみたのですが、佐藤浩市なんてどうでしょ?


投稿者 : ナツ at 2007年2月 7日 00:26

●くもさん
三日三晩も考えてくれたんですか(笑)佐藤浩市って、確かにそういう役が多い気がしますねー。でも佐藤浩市なら、わたしは村上弘明の方が好きかな。最近は時代劇がメインですが、一昔前は厚みのある長身にスーツを着け、「仕事ができる大人の男」という役も多くて素敵でした。こういうのは好みにかなり左右されますね。
最近ドラマ見ないのできれいどころの名前もよく知らなくて、脳内キャスト考えるのにも困ってます。



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