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2007年2月16日

GUNSLINGER GIRL

GUNSLINGER GIRL 1 (1)● 今さらだけど「ガンスリ」( GUNSLINGER GIRL/相田裕 )を読んだ。
「ローティーンの女の子が暗殺者になり、“ご主人様”の命令に忠実に人を殺していく」という「ニキータ」風の基本設定はネットレビューで知っていたのだけど、「どーせそんな設定は子供とエッチするための言い訳なんだろ。殺人のお仕事の後はベッドでも忠実にご奉仕ってパターンだろ。パンチラとかブルマとかウザいサービスシーンの連続なんだろ」と思い込んでいた。
表紙が思いっきり「萌え絵」で、掲載誌も萌え系の雑誌なので、わたしのこの先入観も無理はないと思う。
しかし、ある人に、「女の子の絵は萌え系だけど、エロシーンは皆無だし、政治の話とアクションばかりでハードな内容だよ」と教えられたので、それじゃあと読む気になったわけです。


そしたらこれが面白いじゃないか。萌え系というよりむしろ、子供を大人の都合で弄ぶような、どうしようもない現実に対して静かな怒りが感じられる内容。
さしたる取り柄もないくせに性欲だけは一人前の、情けなさそうな男が複数の美少女に盲目的に慕われるキモ展開もない。政府組織とテロリストとの対決ストーリーだからね。


設定の詳細はこうだ。
テロ対策のために政府の非合法活動を受け持つ特殊組織。その組織では身寄りのない障害者の少女たちを集め、義体(サイボーグ)化して彼女らの肉体を強化し、薬や催眠で「条件付け」を与えて、各々の「担当官」と呼ばれるマスターに対する忠誠心を植え付ける。
担当官の命令には犬のように絶対服従で、天使の顔でためらいなく敵を殺戮する少女たち。
しかし薬物は記憶障害などの副作用を引き起こす。プロジェクトは未完成で手探り状態なので、義体化された少女たちは肉体への過負荷から短命にならざるを得ない。
(少女を使うのは、思春期前の子供の方が義体化や条件付けに適応しやすい為との理由づけをされているものの、少女ばかりで少年がいないのが苦しいな。FSSのファティマと似たようなもん?)


いたいけな子供を利用して殺人に従事させることに苦悩する担当官。目的のために犠牲はつきものと割り切って、犬をあしらうように少女を扱う担当官。少女とどう接して良いのかわからない担当官。
少女の方も色々だが、担当官の男の方も様々なタイプがいる。


担当官の一人・ジョゼはヘンリエッタに、失った妹の代わりとして愛情を注いでいる。だが、どれだけ優しくしても子供を殺人の道具にしていることには変わりない。結局のところ自己満足に浸っているだけの偽善者とも言える。
リコを完全に道具として扱う担当官ジャン(ジョゼの兄)は、一見冷酷非情に見えるが、それは自己満足やぬるい同情による罪悪感の軽減を自分に許さない厳しさからだとも見える。本当に「正義」だと信じているのかも知れないけど。


わたしがいちばん好きなのはヒルシャーとトリエラの組み合わせかな。この二人の関係性が、この中では一番緊張感がないので安心する。あとは抑圧が激しすぎて、いつ決壊するかわからなくて怖い。
特に、「殺人の道具」を妹として見てしまっているジョゼは、このままいけば発狂するか、ヘンリエッタを連れて組織を脱けるしかないと思う。青年と少女、暗殺者からの逃避行となると、ほとんど「レオン」の世界だな。


ジョゼは他の担当官より愛情細やかではあるけれど、今のところ、罪悪感から逃避して問題を先送りにしている優柔不断男としか思えないので、わたしとしては「組織脱退展開」を希望してますね。
すべての義体(少女)を救おうというレベルの正義感までは期待しない。でも、自分の愛するたった一人の女の子すら救えなかったらヒーロー(?)として終わってるじゃないか。ロマンがないんだよロマンが。


というわけで何となく触発されて「少女と青年」をらくがき。「キモくないロリコン」を目指してみた。(ガンスリのキャラとは関係ありません)


man_and_girl1.jpg



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    投稿者 : ナツ at 2007/02/16 | カテゴリー : コミックス
    コメント

    投稿者 : 空 at 2007年2月17日 00:18

    『ガンスリ』は雑誌に掲載されてるのを読んだ程度ですが〜、少女をサイボーグ化して暗殺者に〜という設定でダメでした。
    (そう言いつつ、SF小説『オルガスマシン』ー最初から女性を性的玩具ーカスタムメイドガールーとして作り変える話は読めた私)
    どうにもあざといモノを感じてしまう、
    『少女だけが義体化』というのが疑問で。
    『少年だと失敗例しかない』って言い訳があればまだ読めたかもしれませんです。


    投稿者 : ナツ at 2007年2月17日 01:42

    ●空さん
    FSS(ファイブスター物語)のファティマの場合、女性型の方が生存率が高いので、男性型はほぼ淘汰される=ファティマは女性ばっかり、という設定だったと思います。んで、騎士に忠実に仕えてモーターヘッド(ロボット兵器)を操り、生殖機能はないが性交はOKという。
    ガンスリの元ネタもFSSあたりにあるんじゃないかな〜と思ってるんですが、いかんせんそのへんの設定が、ガンスリの場合はいいかげんなんですよね(笑) 少女でなければならない必然性が弱い。

    まあ逆に永野護くらいになると、偏執狂的に設定が細かすぎてついて行けない。ガンスリの掲載誌から考えても、他の萌え漫画よりご都合主義度が低いので許せます。むしろ気になるのは画力の方で、アクション物なのに動きがないのが致命的。ブラック・ラグーンとまではいかなくても、ガンアクションにはもーちょい迫力がないと。

    あと問題はこれからの展開ですね。エントリにも書いたけど、ジョゼはヘンリエッタを連れてとっとと逃げるべきです(きっぱり)。


    投稿者 : ひふみー at 2007年2月24日 06:22

    初めまして。

    自分も少し前にガンスリにハマって
    (ネットカフェで読むまでは、普通の萌え系
    ガンアクションだとか誤解してたのも一緒!w)
    いろいろググっていてここに辿り着きました。

    作者の相田裕氏は元々この作品を同人誌で
    発表していて、それが商業誌に拾い上げられた
    そうですが、その同人誌版の最後に出た本では
    ジョゼとエッタは最後、公社から逃走して
    他のフラテッロの追撃を受ける、という内容だった
    そうで………(持ってないので詳細不明)
    この話について「ある意味ガンスリの最終話だ」としながらも
    相田氏は「ただし同人誌版と商業誌版は分けて考えて欲しい」とも
    言っております…………

    ちなみに2003年に全13話の「TVアニメ化」も
    されていて、こちらも大変美しく切ない、高い完成度の作品に
    なっていますので、ぜひ一度見てみて下さい。
    (相田氏自身が漫画形式で脚本を書いた、原作を補完するエピソードもあり)
    音楽が大変美しく、原作の持つ痛切な悲哀感を
    より一層高めてくれています。

    突然の長文、失礼いたしました。


    投稿者 : ぴる at 2007年2月25日 03:09

    初めまして。

    私も、同人誌から、ガンスリの世界にハマったタイプですが、ずばり未来を言い当てていてドキリとしました。
    #ちなみに同人誌版で最後に「自分は正義の味方にはなれないが〜(以下、伏せます)」的な独白をする箇所があります(^^

    商業誌版は、群像劇の様を呈してきているので、どうなるかわかりませんが、悲劇で終わる形は避けて欲しいですね、例えどんなに綺麗でも。


    投稿者 : nameless at 2007年2月25日 23:45

     初めまして。

     少女の義体しかでてこないのは、むさいおっさんぞろいのテロリスト(一部例外有り)との対比かと思います。
     ジョゼに関して言えば、家族の仇を討つという目的があるので、組織を抜けるという選択はないでしょう。
     そもそもヘンリエッタ自身、条件付けに従っているだけなのだから、ジョゼが組織を抜けようが、愛情をそそごうが、何をしようが、結局彼の自己満足にしかなりません。
     ジョゼにとって本当に問題なのは、死んだ妹の影を未だに引きずってしまっている事で、ヘンリエッタは「たまたまそばにいたから、代償行為の対象にされた不幸な少女」なのでは?
     ジョゼにとっては必ずしもヘンリエッタである必要はないわけで、トリエラやクラエスとくらべて担当官との関係が浅いのも、そのせいだと思います。
     同人誌版の方は知りませんが、商業誌版のジョゼは明らかに「少しおかしな」人です。(ジャンのせりふにもそれを匂わせるものがある。)
     いずれにしろ、ヘンリエッタの寿命は残り少ないわけですし、作品の趣旨からしても、安易な救いはないでしょう。 


    投稿者 : えむけーつー at 2007年2月26日 00:21

    こんにちわ。
    ヘンリエッタの空っぽでつくりものめいた笑顔からガンスリにハマったダメ人間です。状況が状況とはいえ、ジョゼのアホっぷりには心底深く同属嫌悪します……。いや、あいつはだめです。自分騙してどうする自分を! しかも騙しきれてねえ! まことにもって優柔不断かつ中途半端であります。
    この作品については、常に遠くのカメラから冷静に俯瞰してるような距離のとりかたがいいです。どうにも救いようのない状況を乾いた描写で淡々と描くんだけど、それでかえっていろいろなものが浮き彫りになってる、みたいな雰囲気が。
    さらにいうと、たとえばヘンリエッタかわいいとか思っちゃうと、このマンガ、ますます読んでて救いがなくなります。なに俺、薬で洗脳されたりしてる女の子かわいいと思うわけ? それ人として最低じゃね? でもヘンリエッタかわいくね? でもそう思う俺最低じゃね?みたいな無限連鎖。
    とにかく物語の世界の「現実」をごろんとそのまま放り出してあるもんだから、俺みたいなウザいサービスシーンを待望するような読者に対しては、いかなる意味でも救いがないです。だからこそおもしろいんですが。


    投稿者 : ナツ at 2007年2月26日 01:39

    ●ひふみーさん
    はじめまして。
    >ジョゼとエッタは最後、公社から逃走して
    >他のフラテッロの追撃を受ける、という内容だった

    同人誌は理想的展開なんですね。ベタベタすぎて少女漫画になっちゃうから、商業誌では違う話になるのかな? 確かにこの展開はありがちではあるんで、作品の質を高めるために予測も付かない方向へ持って行く可能性が。そうすると悲劇かなあやっぱり。
    アニメは観ていないんですが、出来がいいと聞いて観たくなりました。どうまとめているのかも気になるので、レンタルで探してみようと思います。

    ●ぴるさん
    はじめまして。
    >ちなみに同人誌版で最後に「自分は正義の味方にはなれないが〜(以下、伏せます)」的な独白をする箇所があります(^^

    え!マジですか?わたしがエントリに書いたのとそっくりなセリフ??わたしすごくね!!?
    なんつーか、「どんだけベタな展開が好きなんだよお前」って話でしかないですね(笑) パターン化された物語って一定のお約束がありますから。水戸黄門と同じで。
    でも、都会派ラブストーリーよりこっちの方が好きだからどうしようもない。
    ますます同人誌が読みたくなったじゃないですか。どうしてくれるんですか・・・。


    投稿者 : ナツ at 2007年2月26日 01:52

    ●namelessさん
    はじめまして。
    >ジョゼにとって本当に問題なのは、死んだ妹の影を未だに引きずってしまっている事で、
    >ヘンリエッタは「たまたまそばにいたから、代償行為の対象にされた不幸な少女」なのでは?

    その状態から脱却することができれば救いがあると思うんですよね。代償行為から始まった関係であっても、そこから本当の意味で愛することもないとは言えない。復讐心に凝り固まっていた人間が愛によって救われる、という。
    で、わたしが求めているロマンとは、そういう弱くて愚かな人間が「誰かのために目覚め、自分の足で立ち上がって運命と闘う」話なんです。(ベタ!)
    しかし仰るとおり、今のところジョゼは現実逃避型の甘ちゃんで、ヘンリエッタにすがっている共依存男でしかないので、わたしとしてもヒルシャーとトリエラの自然な関係を見てる方が楽しいな。

    >いずれにしろ、ヘンリエッタの寿命は残り少ないわけですし、作品の趣旨からしても、安易な救いはないでしょう。

    寿命の長短はあまり関係ないですよ。好きな男が自分のために掟を破って何もかも捨てて連れて逃げてくれたら、その後すぐ死んでも本望じゃないですか(笑) それもひとつの成就です。
    救いがないのは「ジョゼが何も変わらないまま終わる」という展開ですね。成長や前進のない人間の話は悲惨です。
    あと、少女漫画であれば、ヘンリエッタの「条件付け」が解除されても、彼女のジョゼへの思慕は変わらなかった、という展開になるんですけどね。


    ●MK2さん
    >常に遠くのカメラから冷静に俯瞰してるような距離のとりかたがいいです。

    そうそう。あの距離感は独特ですね。子供の運命は悲惨なんだけど、「悲惨な子供萌え〜♪」という、いわゆる綾波の痛々しい包帯姿に萌えるようなサディスティックな鬼畜目線はない。少女に対する過剰な思い入れ(性的な目線)もないからウザくないし。
    読む側は色々な読み方ができる。萌えようと思えば萌えられるんだろうけど、「そういう萌えはウザイからいらない」と思っているわたしみたいなタイプも面白いと感じる。安易な萌えに走ってないのは好感が持てます。

    >なに俺、薬で洗脳されたりしてる女の子かわいいと思うわけ? それ人として最低じゃね? 
    >でもヘンリエッタかわいくね? でもそう思う俺最低じゃね?みたいな無限連鎖。

    MK2さんらしいですな(笑)わたしもエッタ可愛いと思うよ。猫への気持ちに近いかな。わたしはうちの猫が可愛くてたまらん、もうほぼ「人間の家族」と同じ位置にいるわけですが、いくら可愛くても結局こういう愛は一方的で、人間のエゴに過ぎないんですよね。
    でもシンパシーを感じるのはクラエスだな。あの中では性格的に一番近いというか。


    投稿者 : ulu at 2007年3月 3日 23:16

    なぁんだ、わたしの事を描いてくれたのかと思ってたのに、ちゃうのね。

    皆さんのコメント読んでたらガンスリに興味沸いたんでちと検索してみたところ、DVD半額セールしてたんで買ってみた。
    →http://www.7andy.jp/dvd/detail?accd=D0073019


    投稿者 : ナツ at 2007年3月 5日 00:18

    ●うるちゃん
    >なぁんだ、わたしの事を描いてくれたのかと思ってたのに、ちゃうのね。

    んなわけねーだろ!図々しいやつめ!!バレンタインに送ったカードは、「こんな感じのイケテルお父さんになれるようがんばってね。無理だろうけど。ホホホ」という励ましだよ。
    大人の女性より子供の方がデッサン取り易いから描きやすいんだよなあ。好きなのは大人の美女の方なんだけど。(というヘタクソ絵描きとしての瑣末な理由も)
    さっそくDVD買ったの? 確かにセット価格にしては安いけど、わたしはレンタル狙いだな。どちらにしてもPCの付属DVDプレイヤーが壊れたからPS2でしか観られないや。
    見終わったら感想聞かせてね。


    投稿者 : ティアス at 2007年3月 9日 18:33

    GUNSLINGER GIRLのアニメ版も読んだこともありますし、漫画版も読んだ事があります。
    正直言って受け付けませんでした。
    圧倒的な存在に怯えるテロリスト達。少女はそんなことにお構いなくテロリスト達を殺してる。まるで感情のない機械のように。
    それなのに、任務が終わったとたん、楽しそうにおしゃべりをしている。ごくごく普通の人間の顔をしている。大人の人と恋してる。

    見終わった直後、少女達によって大切なものを奪われたテロリストが少女達が寝泊りしている施設を襲撃し、「あんた達は大切なものを奪った。奪われた悲しみを、ぼろぼろにされた痛みを知ってるのにも関わらず!」と吐き捨てるシーンを思い浮かべたことがあります。それくらい嫌いです。

    楽しそうにおしゃべりをしているシーンは好きですが・・・。



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