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2007年3月19日

いまどきのハルマゲドンと前世少女

● オタク関連の情報をググっていたら、こちらのブログで「前世少女」についての記事を発見。そんなこともあったな〜。
というわけで今回は90年代までの前世ブーム、それに関連した終末思想(ハルマゲドンブーム)について語ってみる。


80年代後半〜90年代にかけて、日渡早紀の「ぼくの地球を守って」という前世をテーマにした少女漫画のせいで前世ブームが巻き起こり、オカルト雑誌「ムー」の読者投稿欄などで、「前世の仲間探し」を始める少女が続出した話は有名だが、うちの母が長年「ムー」の購読者であるおかげで、実は我が家にも80年代後半からのバックナンバーがほぼ揃っているというすごい状況だったりする。


せっかくなので「ムー」を引っ張り出してきて、問題の「読者投稿欄」をちょっと覗いてみたら出るわ出るわ。「戦士はいませんか?」「●●という名の仲間を捜しています」などのあやしい投稿のオンパレード。
引用しようと思ったら既に「ちゆ12歳」で年表として紹介されているのを見つけたので、そちらをどうぞ。一例のみ引用すると・・・


戦士、巫女、天使、妖精、金星人、竜族の民の方、ぜひお手紙ください。戦士でありながら巫女でもある私です。(23歳・女性)


こんな感じの投稿がとにかく毎号えんえん続く(23歳かよ!)。
前述のブログでは、「セーラームーンが前世少女のドリームにとどめを刺した」という面白い仮説を述べているが、普通に考えれば、「1999年が過ぎたから」という見解が妥当なんでしょうね。当時の「ムー」をつらつら眺めてみればわかるんだけど、記事の内容も終末観を煽るものが多いし、読者の投稿もそれに影響されて、「近いうちに必ず起こるハルマゲドン(最終戦争)をどう生き抜くか」という内容が多くなっている。その人類を襲う未曾有の危機に際して覚醒するのが、前世から約束されていた「光の戦士たち」である、というのがおおむね前世ドリーマーの共有幻想であったらしい。


この状況にムー編集部も水を差す必要性を感じたんだろう。まともな読者の意見も載せることでバランスを取っている。(*1)



「戦士症候群」に危機を感じる!
(高2男子・17歳)
最近、本誌のコンタクトプラザを見ていると、やたらに「戦士」という言葉が目につきます。
昔から本誌を愛読している僕にとって、この現象は”?”でしかありません。いったい、何が「戦士」だというんでしょうか。
'87年の12月号に、やっと「戦士」に対する批判が載ったと思ったら、最後に「真の戦士はこんな所に名乗り出ないと思うからです」とあって、僕はあきれ果ててしまいました。
これはもう、「戦士症候群」というほかありません。
(1988年5月号)


彼の主張は今の時代から見ると実に真っ当だが、この時期の「ムー」の中ではかなり浮いている。
「まさか、異星人が集団で地球を攻撃してくる可能性が濃厚だとは、いわないでしょう?いくらあなた方でも・・・。」などと、ドリーム共有体に言葉も選ばず水をぶっかける空気の読めなさっぷりは非常に親近感を覚えるが、竜族も天使も金星人もいるような世界観の中では、異星人の攻撃くらい当然想定の範囲内でしょう。
彼は「安易な依存心・夢想こそがヒトラーのような独裁者を生んだのだ」と主張し、むしろ「戦士症候群」こそがハルマゲドンの起爆剤になるかもしれないと警告している。
それに対しての反論がまたスゴイ。


「戦士」が抱くのは他者への愛!
(女性・17歳)
どうも「戦士」という存在が、誤解されているようです。
私は「戦士」と称する数人の人たちと文通していますが、彼らは「悪魔」の存在すら否定しています。ですから、彼らが戦う相手は「悪魔」などではありません。
ましてや「最終戦争を起こしてそれに参加したい」などという考えなど、みじんもないのです。(中略)私は「ムー」の読者の大半は、”終末”に対して、ただおびえて救いを求めている弱い人々ではなく、使命感と他者への愛に溢れている人たちだと思います。そういう存在が”戦士”と称されるのです。「預言」の成就などについても、その及ぼされる結果を最小限にとどめたいと願っています。
(1988年・7月号)


なんつーか、もう、最終戦争(ハルマゲドン)が起こること自体には疑問の余地はないのかよ。ないんですね。
(ちなみに、同様の内容の反論が何通も来たらしい・・・)
『「預言」の成就などについても、その及ぼされる結果を最小限にとどめたいと願っています。』って、かっこよく人々を救い、被害を最小限にとどめる使命を帯びたヒーローとして最終戦争に参加する気満々。
自分がその「人類滅亡」にまで至るほど人間が大量死する戦争で死ぬ側になるとは夢にも考えていないのがとにかく凄い。死ぬのは他人。他人ごとだから文章も超余裕。「ただおびえて救いを求めている弱い人々」より、選民思想を持った人間の方がタチ悪いだろ常識で考えて。
(しかも自分では使命感と愛に溢れていると思い込んでいるところがまた怖い)
この数年後に、「ムー」をバイブルにしてその内容を全て信じていたというオウム真理教が、預言の成就=ハルマゲドン勃発を目論んで地下鉄サリン事件を起こしたことを考え合わせると寒い話ではある。


この号には、さらにネガなお便りも掲載されている。


”正当な結果”で人類は滅びる!
(大学2年男性・19歳)
「人類は滅亡する必要がないから滅亡しない―――」という意見だが、そうではなく、滅亡せざるを得ないから滅ぶのである。
したがって、神仏が人類を滅ぼすのではなく、また神仏の慈悲によって滅亡を免れるのでもない。
”原因”に対する正当な”結果”に過ぎないのだ。(中略)
私、個人の意見としては、人類はこのままでは近い将来、滅亡すると思う。特に最近の自己中心的な人間や社会の傾向は、それをうかがわせる。(中略)早いうちにこれを変革しない限り、人類の運命は、”原因と結果の法則”に従うほかないだろう。
(1988年・7月号)


・・・何か嫌なことでもあったんでしょうかね。
19歳・大学生といえば一番楽しい時期だったとわたしは記憶してるけど、そんな時期に滅亡せざるを得ないだの滅亡すると思うだの、厭世観をまき散らしてまじウゼー。「変革しろ」って、具体的なことを何も言わず丸投げしてまるで他人ごとなのは、このタイプの共通項である。自己中心的なのはお前だろ。
しかしこういう人が1999年以前には特に珍しくもなかったわけです。


まあ、今だってハルマゲドンとか言わないだけで、テロを示唆したり、何かにつけて、「戦争で解決だ!この腐った社会や人間どもをメチャメチャにぶち壊すには戦争しかない!!」とか喚いているネットウヨ系の物騒な人はけっこういるからね。今の時代、オウムショックの影響で安易にカルトにすがるわけにも行かないから、精神的拠り所がなくて余計に鬱屈してるような気がするし。


「何もかもいっぺんにドカンと滅びれば、今の自分の納得できない状況(恋人がいないとか仕事や勉強にいきづまってるとか)も打破できる」という現実逃避の心理が、1999年までは終末論と結びついていた。怯えつつも何かが変わるかも、という期待感は、真に人類滅亡するほどの戦争が勃発すればザコの自分は真っ先に死ぬのだ、という事実にすら目くらましする。(*2)


このへんの整合性を取るのが本来なら宗教、もともと最終戦争を預言していたキリスト教であるはずだった。
キリスト教においては、「善と悪の最終決戦がハルマゲドンで行われた後、神(とイエス)が降臨し、キリスト教の教えに忠実に生きてきた善人のみを救い出し、1000年続く王国(至福千年王国)をつくりだす」とされているからだ。生き残るのは敬虔なキリスト教徒だけなのである。


ところが、キリスト教の終末思想だけが諸悪の根源・五島勉(『ノストラダムスの大予言』の著者)のせいで歪んで取り入れられてしまった日本では、1999年に戦争だか天変地異だかが起こって人類が滅亡の危機に瀕するらしい、というのに、祈る神を持たない。
ここでキリスト教への大量入信が起こってもよさそうなものだが、せいぜいオウム真理教などのカルトに入信する若者が増えただけだった。
なんか大変なことが起こりそう、嘘だとは思うけど万が一本当に起こったらどうしよう、という不安に苛まれている少年少女(主に少女だが)を救ったのが、一連の前世ブーム。
「前世の記憶を思い出した超人的戦士が我々を救ってくれる」、「戦士として目覚めて、仲間を集めて地球を救いたい」というドリームだったのだ。



レフトビハインド● ところで、これがキリスト教の本場・アメリカではどうなるのかというと。
アメリカには五島勉はいないが、「レフト・ビハインド」があるのだ。アメリカ国内だけで累計5000万部以上売れ、映画にもなったこの本のおかげで、ハルマゲドンやら終末思想がアメリカ人の潜在意識の中にしっかりと根付いているらしい。


キリスト教福音派の選民だけが天国に生きたまま連れ去られる(これを「携挙」という)→ 地上に取り残されたザコ共が血で血を洗う殺し合い → 救世主のフリをした悪者・アンチキリスト登場 → ハルマゲドン勃発 → 人類滅亡してキレイになった地上に福音派が戻ってくる → キリストが統治する千年王国で彼らだけが幸せに暮らす


なんか、こんな預言シナリオが存在するらしいんだわ。キリスト教福音派っつーのが「未来はいずれこうなる」と勝手に唱えてるんだけど。
「レフト・ビハインド」―――“取り残される”という意味―――は、そんな選民思想的世界を描いた近未来SF。福音派の牧師(*3)が構想し、小説家が執筆した。アメリカでは福音派以外でも半信半疑ながら信じている人がいるらしい。(ベストセラーだからなー)


しかも、あっちでは1999年という区切りはないので(これはノストラダムスの詩を勝手に解釈した五島勉の説)、今でも福音派は「携挙」と、それに続くハルマゲドン勃発を待望しているし、戦争が起こる度に預言に一歩近づいたと大喜びする。
平和な世界では預言が成就しない(選民だけのユートピアが来ない)ので、福音派はほとんどがタカ派。核武装論者なのだそうである。
こえー。汝の隣人を愛せどころじゃないよ。


日本における「ノストラダムスの大予言」や、漫画・アニメによる終末思想ブームは、前世少女と、せいぜいカルトにハマる若者を生んだだけだったが、それでもオウム真理教によるテロ事件を引き起こす事態となった。
ところが、アメリカでは若者に限らず、金も地位も政治力をも持った人間も含めて、大勢の国民があーいう与太話を信じているのだ。


ちなみに、アメリカの世論調査の結果、米国人の54%は「進化論を信じない」、45%が「この世界は神が一万年前に創造したものだと信じる」と答えているそうだ。
ブッシュ大統領にしてからが、「進化論と平行してインテリジェント・デザイン論を学校で教えるべきだ」と発言している。(*4)
「高度な知性」、すなわち神がこの世界や人類を創ったのだとする創造論だが、人類が進化したのは自然淘汰と突然変異による偶然の積み重ねだとする進化論を否定し、こちらを信じる人間が米大統領(*5)をはじめ増えているということだ。(*6)


早い話が、「神が創った世界だから、いずれキリストが降臨して何とかしてくれる」とか、「早く預言(最終戦争を含む)が成就しないかな〜」とか期待している国民が大勢いる国と安保条約を結んでいるのが現在の日本であるわけで、前世少女もオウムも今は昔、妄想の激しい困った奴らだったよね、などと笑って済ませてもいられないのである。(と、恐怖心を煽ってみる)



● さて。1999年のハルマゲドンによる終末(笑)を生き延びた日本の前世ドリーム戦士たちは、今どこでどうしているのだろうか。(*7)
数年前にも取り上げたが、今現在も前世少女たちは活動場所をネットに変えて細々と生き続けているのである。それが「ソウルメイト」だ。
(「ソウルメイト」でググればすぐにあやしげな掲示板に行き着くが、こっそりウォッチするだけにしてあげてください)
一時はおもしろくて時々観察してたんだけど、前に書いたとおり、各々が自分の「前世の記憶」に固執して「○○はいませんか?」と一方的に呼びかけるだけなので、前世の仲間同士がめぐりあって劇的な展開に!ということがまずない。これではすぐに飽きてしまう。ノリの悪いやつばかりで思わずわたしがサクラになろうかなどと考えたほどである。


まあ終末論もハルマゲドンもない今の時代の日本じゃ、前世の仲間と出会ったからって何か特別な使命があるわけじゃないし、危機感や切実感もない。
だとすれば単純に、「生まれる前から決められていた運命的な恋人・仲間」に出会えば何かが変わるという心理じゃないかと思うんだけど、こういうのは出会い系ビジネスにならないのかなー。不思議ちゃんの需要ってのも一定数あると聞くし。
女性会員が少ないと嘆いている業者は一考の余地はあると思うがどうでしょうか。


*1: 最終的に、「前世関係の投稿排除」の編集方針を固めたのはこれよりもっと後らしいけど。彼らのおかげで雑誌が売れていた側面があるからねー。
*2: 絶望が深く、しかも自殺する勇気もないとなれば、「俺も含めて世界よ滅べ」と無理心中ドリームを見たりするのも思春期の特徴だけども。
*3: このティム・ラヘイってのが統一協会と黒い噂のある人物だもんだからますます胡散臭い。
*4: インテリジェント・デザインとは、知性ある設計者によって生命や宇宙の精妙なシステムが設計されたとする説。しばしば、IDと略される。〜Wikipedia
*5: ブッシュの支持基盤が福音派のファンダメンタリスト(原理主義者)なので、本人がどの程度本気で信じているのかは不明だが。
*6: まあ進化論には穴がいっぱいあるっていうけどね・・・ミッシング・リンクってやつ。
*7: 最近の「ムー」は、2012年に終末が来るとか言い出している。マヤの暦がどーのこーのとこじつけているが、その年が過ぎればまた“終末”を先送りするだろう。読者の方も分かっているので、どうしても90年代までのようには盛り上がらない。



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投稿者 : ナツ at 2007/03/19 | カテゴリー : 宗教・哲学
コメント

投稿者 : イツカ at 2007年3月19日 01:40

「前世の仲間探し」というと昔読んだCLAMPの「東京BABYLON」を思い出します。
ダイヤルQ2だったかで戦士仲間を探した3人の少女があちこちに呪いの電話を掛けまくって被害を出して、
最後は本物の陰陽師(というか何というか)に返り討ちにされてしまうというエピソード。
「前世が何の役に立つんですか」
「(ふつうを嘲笑い自分たちを特別だという少女たちに対して)世の中で一番えらいのは毎日をふつうに生きている人たちです」
なんて台詞が印象的でした。

とはいえエントリのなかで抜粋されてる88年には私は小学生以下だったし、まさか「戦士」探しの人が実在したとは知りませんでした。
しかも今もそういうのが息づいてるんですね。ある意味すごい想像力だなあ。

そういえば最近公開された映画「バブルへGO」の中でも未来から来た主人公に、バブル時代の人が「1999年はどうなったの?! ハルマゲドンは?!」って尋ねてました。
さすがに99年には物心ついてましたけど、あまり気にしていた記憶が……もしかして高校受験だったからかな……。


投稿者 : 天魔 at 2007年3月19日 10:11

こんにちは。
この日本だけの特殊な形がおもしろいです。
http://www2.ttcn.ne.jp/~honkawa/9520.html


投稿者 : 空 at 2007年3月19日 22:56

前世療法(だったかな?)とかいうのは『本当にあった怖い話』に載ってた漫画で読んだことありますが。問題を抱えている人に催眠術をかけて、前世の記憶を取り戻させて、現世との因縁を解きほぐしていくとか言うヤツです。
(母親と上手くいかないのは前世でこういう関係だったからです、恋人ないしは配偶者が暴力をふるうのは前世でこんな関係だったからです、とかいう)


投稿者 : ナツ at 2007年3月20日 00:49

●イツカさん
>まさか「戦士」探しの人が実在したとは知りませんでした。

「前世症候群」「光の戦士症候群」と呼ばれたブームは有名な話だと思っていましたが、知らない人も多いんですね。99年に中学生だったなら世代の違いか(笑) わたしはと学会の本とか、「ムー」も読んでるので、ある意味特殊なのかもしれませんけど。 
戦士探しの投稿は後になって知ったのですが、ハルマゲドンとかグランドクロス(惑星十字配列)とかポールシフト(地球の地軸が逆転して天変地異が起こる?)とかいう話が90年代末まで盛んに喧伝されていたのは覚えてます。毎号のように「ムー」に書いてあったもので。
とはいえ母はその「ムー」を買ってる張本人なのに、「おかーさん、人類滅亡すんの?」と訊いても、「いいからそんなこと信じてないで勉強しなさい」とか言って、まったく取り合ってくれなかったとです。だから切実な危機感もなければ、前世の記憶が目覚めるわけもなかったと。

●天魔さん
おもしれー!!グラフにしてみたら世界各国と比べて明らかに特殊ですね。
しかし、わたしは典型的な日本人なので、同じように「神も死後の世界もあるかないかわからない」と答えます。前にも書いたけど死後の世界があると思ってる人は死後の世界に逝くし、ないと思ってる人は死んだら消滅すると思います。肉体がなくなれば全ては主観(意識)に左右されるはず。
それにしても「神はいる」=「死後の世界はある」とは限らないんですね。神を信じていても死後の世界はないと思ってる人もいるわけだ。ふしぎ。

●空さん
>前世療法
ヒプノセラピーってやつですね。オーラの泉なんかも前世や守護霊を霊視してアドバイス、って方式だからこれの一種かな。「今うまく行かないのは前世の因縁だ」と知ることで、理不尽な状況に折り合いがつくということでしょうか。
わたしなら「前世の因縁だから何だよ?そんなもんで納得できるか!!」と思うので、役に立ちそうにないですが、それで癒されてる人が大勢いるのは確かなようです。
まあ、前世の記憶自体は「疑似記憶」ではないかという話ですけど。


投稿者 : tororo at 2007年3月20日 03:26

>ソウルメイト
釣られて見にいってきますたw
夢中に○○○から●を手渡されたりしているから戦士なんだろうね
いうとおり宗教観と密接な選民思想のあらわれなのかな
思想の自由ということで仲間うちで盛り下がる?のは勝手ですが
一方的に思い込まれて…ないよねw
袖振り合うも多生の縁ってか
運命とか宿命とかいうより人を見る目が必要に思う今日このごろw


投稿者 : marineko at 2007年3月22日 19:36

ちょっ、ナツさんのおかーさま!私と趣味が合いそうじゃないですか。ムーの愛読者でいらしたなんて。いやん、懐かしいわ〜。何を隠そう、私も過去、愛読者でして(今はもう買ってません)。ええ、80年代のことですから、もうばっちり憶えていますわ、麻原の空中浮揚写真も、その「何やらの戦士募集」みたいな投稿も。私は、当時、ふつーの学生でしたけど、そういう投稿を「この人たちイカレてんじゃないの?それとも編集部のやらせか?」と思いつつ眺めてました。
巻頭特集のハルマゲドンだのポールシフトだのロズウェル事件だのキャトル・ミューティレーションだのというのはエンタメとして読んでましたね。ウッソーと思いつつ、こんなことあったらワクワクしちゃう、だけどありえない、みたいな感覚で。たぶんお母様もそんなふうに楽しんでらっしゃるんだと思います。
考えてみると、トンデモ特集は書き方がいつもパターン一緒なんですよ。Aという事象がある、これはBではないか(ここの仮定がぶっ飛んでる・笑)?BだとするとCに違いない!そしていずれはDになるだろう!そのとき私たちはどうすればよいのだろうか!!・・・って最後にはもう最初のぶっ飛び仮定Bがほとんど事実であるかのように書かれてるんです、検証も何もなしで。だけど奇天烈な発想と、それを言い切る「!!!」の多さが面白くて。まさに三段跳び論法マジック。でもねー、結局、惑星直列しても何も起こらないし、エンタメとして読んでもネタが繰り返しになってくるんで、私は飽きたんです。
それより「読者の恐怖体験談」コーナーが一番好きで、挿絵というかイラストがまた怖いし、エンタメとしてはヘタなホラー小説より面白かったです。毎号買ってると、これまたパターンがわかってきて、「これって、載ると謝礼もらえるのかー。いっちょ創作して投稿してみるかなー」とか思ってましたけど、実際にやってみるまでには至りませんでした(笑)
で、アメリカのお話ですけど、妙な(反社会的だったり、あまりにも非科学的な)宗教・思想団体はたくさんありそうです。そういうの、聞いたことありますよ。アーミッシュみたいに、自分たちだけで共同生活してたり・・・アメリカ、田舎なら土地も有り余ってますしね。
私はどっちかというと仏教的な考え方にはシンパシー感じてますけど、チベット仏教などに顕著な「前世」「生まれ変わり」「カルマ」「グル」「弟子」・・・こういう思想は、もしかしてアリかもしれない、だけど、それは大々的に持ち出しちゃいけない、そんなものこの現世では広めちゃいけないものだと思うんですよね。それ言い出すと、必ず「魂のレベル(?)での上下関係」がでてきて、有る意味、金銭的富裕さや社会的ステイタスによる上下関係よりも、タチが悪いと思うんです。貧しい国の貧しい家に生まれ、売春宿に売られる子供の悲惨を見て、「それは前世でのカルマを清算するために必要なこと」、とか言い出したら、もう終りだと思うので。
あ。なんだかんだ書いてたら長くなりましたので、今日はこのへんで。ではでは。


投稿者 : ナツ at 2007年3月23日 01:25

●まりねこさん
あー、うちの母と話が合いそう(笑) そうです。母も「空想のお話として読めば面白いじゃないの」とかいってます。まりねこさんや母くらいのスタンスで読めば、オウムだの戦士だの出て来なくて済んだんでしょうけどねー。しかも読んだそばから忘れていくようなので、ネタがループでも飽きないみたいです。(でもオウム事件の時は書店で買いづらくて肩身が狭かったらしい)
母は「歴史読本」などもたまに買ってるので、トンデモ古代文明の話などを歴史物語として読んでるようです。「日本にキリストの墓があった!仏陀も日本で死んでいた!青森の民謡『ナニャドヤラ』はヘブライ語だった!」ネタなんか大好物ですよ。(←この話も何度読んだことか)わたしは諸星大二郎の方が好きだけどな。

>貧しい国の貧しい家に生まれ、売春宿に売られる子供の悲惨を見て、「それは前世でのカルマを清算するために必要なこと」

インドの状況はこのタチの悪い部分が露呈してますものね。カーストの低い者はどんな理不尽な扱いを受けても「前世の業だ」ということになって、人権を求める社会運動になかなかなりにくい。あのガンジーも実際には不可触民(最低カーストより下の人々)を弾圧したらしいし、カースト制度の存続をうたっていた。
人を救うための宗教的観念が人を抑圧するという構造は悲しいけどよくある話だったりする。
(インドの場合は、征服民族のアーリア人がドラヴィダ人を支配するためにヒンズー神話とカーストを作り上げたらしいですが)


投稿者 : tororo at 2007年3月25日 05:29

>あのガンジーも実際には不可触民〜
どうなんだろうね
宗教家だからそれにはアンタッチャブルだったのだろうか
それとも…
ノーベル平和賞を辞退したのはプロパガンダなのか自身の欲望の逃げ道なのか奥ゆかしいだけなのか
でも偉大なんだろうね
偉い人はわからないことが多いが求めすぎてもいくないかなっと思う今日このごろw


投稿者 : ナツ at 2007年3月26日 07:31

●tororoさん
ガンジーはインドをひとつにまとめるためにもカースト制の存続が必要だったんです。不可触民出身でインドの法務大臣にまでなったアンベードカルは、ガンジーを偽善者だと批判しています。
ガンジーが不可触民を解放したという話は、嘘とは言わないけど誇張された話で、実際はアンベードカルの功績なんですよね。ガンジーはむしろアンベードカルの運動を弾圧する側に回っていました。
彼はバラモン出身の貴族様だからこのあたりが限界だったのかもしれません。
もちろん、それ以上に大きな功績を残したことも確かですけど。
(山際素男の本なんか読むと、ガンジーの印象が大分変わります)


投稿者 : tororo at 2007年3月28日 02:23

>ガンジーの印象が大分変わります
なるほど。やはりナツさんは博識ですね。
くだらないコメントに時間を割くのはもったいないかもw



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