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2007年11月19日

暴言を言う自由はあっても正論を言う自由はないとはこれいかに

・「どうしてくれるんだ」 40代男性患者の病室で怒声が響いた。病室に入った女性看護師が、理由も告げられないまま、1人ずつほおを平手打ちされた。関東にある大学病院でのことだ。

 泣きながらスタッフルームに戻ってくる若い看護師の様子を不審に思った看護師長が患者に問いただすと「腎臓病の治療がうまくいかず、透析になったことが受け止められなかった。腹がたって誰かにぶつけたかった」と打ち明けた。

 医療従事者が患者やその家族から暴力や暴言を受けるケースが増えているという。
 患者がこうした怒りを医療従事者にぶつける背景には、医療への過剰な期待がある。かつては「仕方がない」とあきらめるしかなかったことも、医療の進歩で、「どんな病気でも病院に行けば治る」「治らないのは医師の治療方針が間違っていたせいだ」と考えてしまう患者が多くなったという。

 教育現場で教師に理不尽な要求をつきつける親のことを“怪物”にたとえて「モンスター・ペアレント」と呼んでいるが、同じように医療現場でモラルに欠けた行動をとる患者を「モンスター・ペイシェント(患者)」と呼ぶようになっている。
快適の代償(2)“怪物”患者「治らない」と暴力


このコラムについて言及しようと思っていたら、ちょうどはてな界隈で、似たような騒動が起こっていたようで。例によって今頃知ったんですが。
あーもう書きたいこと書いちゃえ書いちゃえ><


関連ブログの全部に目を通したわけではないんだけど、「結婚して子供産んで幸せですなんてネットで書くな。その幸せをつかめない悲惨な人間に配慮しろ」という主張に賛否両論、って話らしいです。
以前、革命的非モテ同盟のfurukatsuさんが、青丸さんという女性に、「交際経験のあることを口に出すだけで非モテにとっては暴力だ。クリスマスのデートという存在自体が大いなる人間疎外だ」という因縁を付けて絡んでいたことがあったのだが、またもや似たようなことが起こってるんですね。


あの時も思ったんだけど、自称被害者の人ってのは、「被害者である」と主張していない人なら何を言われても傷つかないとでも思っているのだろうか。
誰かのブログを読み、その内容に腹を立て、暴言を吐きかけた時点でその人は「加害者」、少なくとも相手と対等に闘っているファイターでしかない。決して一方的な被害者ではないはずなのに、いつまでも「自分は一方的に殴られた被害者です」と主張するのはどういうわけか。
相手が同じように、「傷ついた。立ち直れない。わたしの方が不幸だ。実は過去にこんな不幸があったのを知らないくせに。お前はわたしに配慮しないでいじめる加害者だ」と喚き散らさなければ、自分にもひとを傷つける牙があることに気がつかないとでも言うのだろうか。


「セックスのことしか考えていない」とビッチ呼ばわりされた女性も、「元彼のことを話した時点で童貞に対して優越感があったんだろ」と決めつけられた青丸さんも、どれだけ傷ついたか想像に難くないが、「リアル充実してる」「幸せな人」「強い人」だから、という理由で(*1)、かれらの傷には配慮されない。かれら自身もいちいち自分は被害者だと騒がない。
まさに噂に聞く解同の糾弾会のようなもので、強者であると決めつけられた側の心など最初から考慮されていないのである。


被害者から加害者になった人は、被虐の体験を整理したら、加虐の整理も突きつけられる。自分の加虐と向き合いたくない人は、いつまでも被虐を語り続け、回復しようとしない。被虐を語るうちは、同情はされても、非難はされない。
被虐と加虐を併せ持つ人は、そもそも回復する気がないの。


今回の騒動で知った虐待関連のブログからの言葉だ。
すでに自分も虐待の加害者になっていながら、過去の被虐体験をふりかざし、自分は被害者であると永遠に主張する人々が存在する。
この世界の中で被害者のまま存在することは、これから先も、誰を傷つけてもすべて正当化されるということ。こういう人間の取る行動は子供への虐待にとどまらない。なにせ被害者なのだから、誰を傷つけても、自分が一番悲惨であり、他人の傷など「私に比べたらどうということはない」と思い込むことができる。
批判されたら、飽きもせず過去の被害体験をかざして今現在の加害行為を正当化すればいいのだから。


ネットにはこういうタチの悪い「自称被害者」が至る所に存在する。「可哀相な人なのだから彼らに正論をつきつけるのは暴力だ」と主張するひとも存在し、暴言を吐かれてもこちらこそ被害者であると訴えることすら禁じられる。傷を抱えていながら黙って前向きに生きようとしている人間が割を食っている状態だ。
わたしはこれこそが理不尽な暴力だと思う。



Masao_hate
貴方の意思はわかった。でも貴方は自分が「説教」してるのに気付いてないの?「説教」ってのは「正しい側」がする正論。その「圧倒的な自分の価値観への自信」が貴方の意思とは関係なく結果的に暴力になってるんだよ
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/AyanoIchijo/20071116/p1


「正論だ」というのはどういうことか? Masaoさんは「あなたの言っていることは正しい」と表明しているわけだ。
つまり、ふたつの主張のぶつかり合いのうちどちらが「正しい」かをおのれ自身は「価値判断」し、それを表明していながら、一条さんに対しては「自分が正しいという絶対の自信を持つことは暴力である」といっているわけである。めちゃくちゃな話である。
おたがいに言いたいことを言い合っているだけの人間に被害者も加害者も説教もあるものか。「あんたが嫌いだ」とか、「その意見には反対だ」というのならともかく、「正しいことを言うのは哀れな人間への一方的な暴力」などというのは、正面から反論を述べることそっちのけで、どうにかして相手の罪悪感を誘発して優位に立とうとする駆け引きとしか見えない。


こういう方法で「正論」(*2)を封じ込めるような意見にわたしは与しない。
八つ当たりも暴言もネットに存在していいし、自分の発言に責任が持てるなら、自分のブログでどんな理不尽な主張をしようがその人の自由だろう。その反対に、「それはおかしいわ。どう考えても理不尽だわ」と批判することも当然、自由なはずなのだ。
この「自分の発言に責任を持つ」ということが軽視されているような気がしてならない。暴言を吐いたら読み手からどんな反応が返ってくるのか想像できずに、対処しきれなくなって、「いじめられたよー」と泣きながら閉鎖。暴言を吐いた人間を「責任能力がないから」と、どっかの人権弁護士のような理屈で擁護する人もいる。
わたしの見るところ、hashigotanさんという人は相当な言いがかりの天才ではあるけど、暴論を述べているという自覚はあるのではないかと思う。彼女に「正論」は伝わらないというのは確かだろうが、それは彼女が確信的に他人を傷つけている加害者だからであって、「人の言葉も耳に入らないほど傷ついている可哀相な被害者」だからではないのだ。
つまり、いくら「正論」とやらをぶつけられても彼女は言いたいことを言うだろう。その覚悟がないのなら最初から黙っていた方がいいのだから。悲惨な人だから配慮しろとか気を遣えとか言ってる方が的はずれだ。



医療関係者は、治療がうまく行かなくていらついてる患者にいきなりぶん殴られても、殴り返すことはできないのかもしれない。でも、わたしは暴言を吐かれたとき、それが理不尽だと思えば真っ向から言い返す。われわれは皆それができるほどネット上では対等なはずだ。
たったそれだけのシンプルな話だと思うんですけどね。


*1: 事実がどうであろうとだ
*2: つまり、その人にとってぐうの音も出ない、反論できないから悔しい言論。実際に正しいかどうかは無関係


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  • 投稿者 : ナツ at 2007/11/19 | カテゴリー : 気になるニュース・ネタ , ネットウォッチ
    コメント

    投稿者 : Ms gekkouinn at 2007年11月19日 07:30

    おはようございます。
    初めまして、Ms gekkouinn と申します。
    早朝から、気骨のあるブログを拝見したなァという思いです。記事中のIDの方のブログは存じ上げませんけれど、
    ものが自由に言えるということの幸せを改めて感じる思いを抱かされたような気がいたします。

    ちなみに、
    わたくしも理不尽な暴言だと思える発言を前にしましたら、きちんと反論なりをさせていただく一人ですが、その場合でもマナー(←死語かしら)は守りたいなァと。

    ご健筆をお祈りいたします。


    投稿者 : えむけーつー at 2007年11月19日 19:47

    >自称被害者
    いやあ、リアルでもよくぶち当たりますよ……。
    印象だけでいえば2割から3割は確実、どうかすると半分くらい。集中的に多いのが、二十代後半から三十代前半くらいの専業主婦層。あとは十代後半から二十代前半の男性ですかね。前者については「私ってかわいそう」とセットになってるのが特徴で(まあ、根は同一ですが)、後者については抽象的な正論(みんなでがんばろう、とか、人は努力して生きるべきだ、など)についてはよく受け入れるが、個別の自己責任に話が及んできたときには徹底的に逃げるのが特徴でしょうか。女性への憎悪とセットになっている傾向も散見されます(これはネット利用者層ばかりではないです)。
    共通しているのは「人間、だいたいのことは努力でどうにかなる」ということを知らないことでしょうか。可能性は否定してますね。まあ、そのほうが楽だもんなあ……。


    投稿者 : しぎこ at 2007年11月19日 22:42

    hashigotanさんに対しては、こんな優しい「正論」もあったんですけれど。
    http://anond.hatelabo.jp/20071114011320
    http://anond.hatelabo.jp/20071114221532

    それでもあの方は聞き入れる気がないのですよね…。

    2番目の記事に付けられたブクマ
    http://b.hatena.ne.jp/entry/http://anond.hatelabo.jp/20071114221532


    投稿者 : しぎこ at 2007年11月19日 22:46

    「聞き入れる気がない」の根拠はこちらでしたm(_ _)m

    最初の記事のブクマ
    http://b.hatena.ne.jp/entry/http://anond.hatelabo.jp/20071114011320


    投稿者 : イカフライ at 2007年11月19日 23:04

    >「結婚して子供産んで幸せですなんてネットで書くな。その幸せをつかめない悲惨な人間に配慮しろ」
    >交際経験のあることを口に出すだけで非モテにとっては暴力だ。

     それ言うのなら、私は「正社員というだけで非正規雇用者への暴力だ、ネットに成功自慢書くな」って書いても通るんですね。
     まあ、個人的には「私はかわいそうだから同情して」と言って同情して貰えると思っている人はよほど今まで甘い環境にいたつうか、口ではどういっても、本当に傷ついたことがないんだろうな、と思ってますが。ただ、幼少時の性的虐待という誰しもが文句のつけようがない実際の被害者(ネットの上ではその事実は確かめようもないですが)であるということが、この方に関して、どこかしらの特別視が出来てしまうのですね、単なるモテナイ女なら「こんな僻み書いてみっともないと良く自分がいやにならないな」ですむのですが。
     この方がそこまで計算しているなら、こんなずるいことはないと思いますが、それはなさそうですね。
     だとしたら、性的虐待の被害者だから、ということでゲタをはかせるのは、かえってご本人に失礼かも。


    投稿者 : ナツ at 2007年11月20日 23:40

    ●Ms gekkouinnさん
    きちんとした言論にはきちんとした反論をしたいですが、ただの言いがかりや暴言にまで「マナーを守って」という気はわたしにはないなあ。つまらないこと言って絡んでくんなと思えばガン無視するし、ツッコミどころ満載だったらツッコミ入れちゃいます。
    ところで、仲の良い人に対するほど文体が乱暴になり、「こいつ嫌い」と思った相手には慇懃無礼になるのは、わたしだけの癖でしょうか・・・。

    ●MK2さん
    リアルでは専業主婦の自称被害者が多いのか・・・。わたしはあまり実感ないです。
    ネットでは、自分の専門分野や、感情や情緒の必要ない理系ネタではまともなことを書けるのに、情緒的な問題になるととたんに被害者ヅラして「俺を受け入れない社会が悪い」とか言ってるのは男性に多く、そもそも何を書かせてもネジが飛んでるリスカ厨タイプの自称被害者は女性に多いような。

    >個別の自己責任に話が及んできたときには徹底的に逃げる
    何か行動して、失敗したときに自分個人でリスクを負うのが嫌だからそもそも行動起こさないんじゃないかという気がする(脱ヲタとか告白とか)。それを回避するために「社会全体が変わるべき」と主張する。「俺一人が幸せになっても救われない奴はいるから」とか、体の良い言い訳ばっかりで結局何もしない。社会のひずみの犠牲者だと吠えるだけ。

    ●しぎこさん
    今回初めてhashigotanさんという人がどんなことを書いてるのか知ったんですが、めずらしい芸風ですね。非モテを名乗る女性は自虐的で内省的な人が多いという印象だったんで。

    >私は自力で独自の方法で道を切り開くつもりです。匿名なのでどなたか解りませんが有難うございます
    やっぱり確信的に釣りしてるんじゃないかという疑惑が。あるいは本気で「回復する気がない」としか思えない。被害者でいる方が楽だから。

    ●イカフライさん
    >私はかわいそうだから同情して
    こういうこと言う時期はあっていいと思うんですよ。ネットで同情してくれる人を捜すのもひとつの自己回復手段ではあります。(うまく行くとは限らないのでそのへんは自己責任だけど)それで立ち直るなら、まあいいのではないかと。
    でも、「私の目につくところで幸せですとか言うな。お前は加害者だ」と喚き散らすことについては、回復を目的としているとは思えません。幸せに見える他人を引きずり下ろしたいだけ。それで溜飲が下がるかと言えば、自分も深層ではさらに傷つくだけです。誰も幸せになりゃしない。
    だから「あんたの方が加害者じゃん? それってただの自爆テロじゃん」と突っ込み入れるしかないのです。


    投稿者 : 山中馬のすけ at 2007年11月21日 01:08

    もっとも性質の悪い言論封殺だな、弱者の盾を取って暴論の矛を振りかざしてるように見える。これがもし作為的なものなら悪意すら感じます。
    本当にこの世に正論なんてものが存在するのか知らないけどそれに近いものがあるとすればそれは個々人が自由に「自分が思う正論」を吐ける環境だと思う。かつて弱者であったこと(あるいは現在も)を大義名分に他人を否定し自分は否定されない権利が得られると思ってるならこれは大きな勘違いだわ。


    投稿者 : ナツ at 2007年11月21日 23:44

    >かつて弱者であったこと(あるいは現在も)を大義名分に他人を否定し
    >自分は否定されない権利が得られると思ってるならこれは大きな勘違い

    正確には、これを主張してるのは自称被害者の人ではなく、第三者のMasaoさんですけどね。それはともかく内容には同意です。自分に都合の悪い言論を封じ込めるために、「弱者をいじめる強者」認定するすり替えにはもううんざりです。
    賛成とか反対とか好きとか嫌いとか、ストレートに自分の言いたいことを言い合えばいいだけなのに、搦め手から攻めるのは「自分に自信がないから」だと思います。何度も言うけど。
    本当は賛同して欲しい、自分こそが多数派に属したいだけなのに、それができないときに悔しまぎれに「正論の暴力」などと主張する。ところが、自分の主張が多数派から賛意を表されているときは、「正論の暴力」なんて話は都合よく忘れてしまえるんですよね。ふしぎー。



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